■第20回 「いろいろな園芸用土」 | |
赤玉土(小粒) もともとは関東平野の基盤土層である 赤色の粘質土で、現在は園芸用の 基本用土としてもっともふつうに使われる。 土粒の大きさで何段階かに篩い分けたものが 売られていて、土粒が非常に硬くくずれにくい ものから、くずれやすいものまで、 品質には幅がある。 土(土壌)はもともと地表の岩石が風化してできた鉱物の粒子と、生物の残骸からできた有機物が混じったものですが、実際にはこのほかに水や空気も含まれていて、これらも重要な土の成分といえます。植物の根は土の中から養水分を吸収していますが、同時に盛んに呼吸もしていて、そのために常に新鮮な空気を必要としています。また、「生きている」土では、この中にミミズからバクテリアに至るまで、さまざまな微生物が住みついています。 |
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鹿沼土 栃木県鹿沼市周辺で基盤層に見られる、 古い火山礫が風化した黄色い玉土で、 赤玉土と同様に土粒の硬いものから 軟らかいものまで、品質に幅がある。 一般に赤玉土よりもくずれにくいものが多く、 盆栽や山野草などに広く使われている。 やや酸性を示す場合が多いので、サツキなど ツツジ類の鉢植え用土としてはもっとも 標準的なもの。 微小な土の粒子が一つひとつばらばらになった状態を単粒構造といって、粒子の間には小さなすき間しかできません。これに対して土の粒子がいくつかくっつきあって、より大きな粒子になった団粒構造の土では、団粒どうしの間に大きなすき間ができ、さらに団粒の内部に小さなすき間も持っていますから、水もちがいいと同時に排水もいいという性質を兼ね備えているわけです。畑や花壇の土をよくする目標の一つは、このような団粒構造を作りその状態を保つことなのです。 団粒の粒子が目に見えるほど大きなかたまりになっている土を「玉土」といって、園芸用に広く市販されています。「赤玉土」は代表的なもののひとつですし、「鹿沼土」も一種の玉土といえるでしょう。団粒構造は雨やかん水などによってこわれやすく、月日の経過とともに状態が変わってきます。たい肥や腐葉土などの有機物を土に混ぜるのは、栄養補給の意味もありますが、土の中に大きなすき間を作ってやることと、有機物が分解してできる物質が、土を団粒構造にする糊の役目をするという大きな意味があります。 |