徳原真人のガーデニングABC
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ガーデニングABC

 第47回 自然の中の「図と地」

写真1
写真1

2月のコラムを送った翌月の14日は、私が住んでいる所では朝から雪景色となりました。 写真@12月のコラムで紹介した、昨秋改修したばかりの庭です。

5月上旬のナンジャモンジャが咲く庭も素晴らしいですが、庭の骨格がくっきり浮き出る雪の風景も大好きです。
画面の右上のヒマラヤシーダ ゴールデンホリゾンタルとヨーロッパ ゴールドの針葉樹のシルエットがとても品格があり我が家の自慢の庭木です。
「太郎の家にも雪ふりつむ・・・」という高村光太郎の詩にもありますが、雪の日の朝はシーンとしていて、見たくない立看板やちょっとした生活臭のあるものも全て雪に覆い隠されていて、シンプルでいてかつ美しいです。

ガーデニング フロム ネイチャー
写真2
写真2

14日は10時ころから少しずつ空が明るくなってきたので、雪をかぶった森の中の木々がとても輝いていて、気持ちがウキウキしてきます。
昨年のコラムの中に玉崎先生の剪定の記事がありましたが、私は樹種ごとの樹形を頭のメモ帳に書き込みをして、2時間弱の森の散歩を楽しみました。写真A

数年前ですと、感動した風景はよく写真に撮っていましたが、最近はよく見て五感で自然の素晴らしさを感じる事を第一に考えています。

私のデザインの拠り所でもある
「Design From Nature」を最も素直に向き合って満喫した半日でした。 午前中の仕事は急きょとりやめにして、予定はちょっと遅れてしまったけど、何か本当に幸せな気持ちに浸れました。


写真3
写真3

写真Bは社宅の敷地の中で見つけたヤブツバキです。栃木県あたりだと、小中学校の卒業式を迎える3月15日前後あたりが、一斉に咲きだし、地面から感じられる若草色のほのかな暖か味と相まって、「ツバキの花って美しいな」と感じられます。しかし、雪をかぶったカメリアもなんとも東洋的でいいですね。

まったく関係ない話ですが、バンクーバーオリンピックのフィギアスケートをテレビで見ていて、銀盤の上に舞う真央ちゃんとかキム・ヨナさんを見ていると、アイススケートという西洋のスポーツ様式の中に、東洋の女性の美しさやしなやかさが表現されていて、本当に第一級の表現であると感じます。何か絵画で言うと東山魁夷の世界ですね。


その時、その場所で最もふさわしい花は何か

写真4
写真4

さて、今回一番感じた事は、ベース(地)の大切さと図柄(図)のシンプルさが本当に大切であるという事です。ずっと私のコラムを読んでいる人はお気付きかと思います。
日本の茶花や一輪ざしの思想に通じるところがあると思いますが、
その時、その場所で最もふさわしい花は何かとゆっくり考えて見る事も大切です。

最後にヤブツバキの防風垣に混じって咲く白梅の写真をお送りします。皆さんがそれぞれに感じてください。写真C

そして、3月下旬の頃の同じショットの写真を次回お届けします。

いよいよガーデニングのオープン戦突入ですね。



Bloom Field
株式会社アイ・アンド・プラス Bloom Field事業部