これからのマンションはコミュニティ作りがポイント!

これからのマンションはコミュニティ作りがポイント!

これからのマンションはコミュニティ作りがポイントと、これからのマンションのあり方を変えていこうとしているマンション管理士が浜松にいらっしゃいます。
その方は、静岡県マンション管理士会の理事を務められている、永井克典さんで、ブルームフィールドの取材に応じて頂き、お話しを伺うことができました。

●お話しを伺った方のプロフィール
名前:永井克典様 (マンション管理士、行政書士、宅建主任者)
所属:NPO法人静岡県マンション管理士会理事浜松事務所
住所:〒430-0941 浜松市山下町2-1 ハイタウン山下3Fドリーム館A-7
連絡先:TEL:053-472-1370
FAX:053-4637628
Email:info@nagai-gyousei.com

Qブルームフィールドより質問

まず具体的なお話しを伺う前に、永井さんが言われている「マンションのコミュニティは重要」とはどのようなものなのか、また現状のマンションが抱える大きな課題みたいなものはございますか。

A永井さん

最近のマンションはセキュリティを重視していることもあり、マンションはあまり人との接点が無くて済むような印象を持たれる方が増えてきています。
確かに人とのコミュニケーションが煩わしいからマンションを選ぶとうい方もいらっしゃるのは事実ですが、根本的にマンションであっても戸建て住宅であっても、人とのコミュニケーションは避けることは出来ません。
エレベーターでは人と顔を合わせることはありますし、同じフロアの方や上下の階に住んでいる方とは何かしらコミュニケーションを取る時が来ます。また入居されたら必ず入らなければいけない管理組合がありますし、会合も定期的に行なわれます。
そのような実情があるので、住んでいる方もこれからマンションに住まれる方も、住人同士のコミュニケーションを避けて通ろうとするのではなく、ほどよくコミュニケーションを取っていこうとすることがマンションライフを快適にしていく上で必要になってきます。
今回の東北大震災でも明らかになりましたが、マンションのコミュニティ作りが普段からしっかり行なわれていたマンションは、住人が非常にまとまって助け合い、困難を乗り越えようとする姿勢が見られました。

また以前よりお年を召され方が、戸建てよりマンションに住む傾向が強くなる中で、孤独死などを未然に防ぐ為にも、住んでいる方々同士の積極的な交流が必要となってきています。
そうなってきますと住人の一人一人の考え方や意識を今までとは変えていかなければいけませんし、重要になってきます。
その反面、マンションの規約やルールも実態にそぐわないものも多く、コミュニケーションを取りにくくしているケースがあるのも事実です。今後現実的なものに変更していく必要があります。
コミュニケーションの乏しいマンションにコミュニティは生まれることはなく、マンションは殺伐としたものになってしまう恐れがあります。これからのマンションこそコミュニケーションを取り易い環境が必要であり、その中からコミュニティが生まれなければいけない、いうのが私の考えです。

Qブルームフィールドより質問

具体的にはどのようなことでしょうか?

A永井さん

トラブルの相談が多いのがペットやベランダなどの共有部分、そして音に関することです。マンションにもペットやベランダで癒しの世界を求めている方々も多くなってきていますし特に近年のマンションはペットを可としているところが増えてきています。しかしながら一昔、二昔前のマンションは、ペット禁止のマンションが多いのですが、その中でも秘かに飼ってしまう方がいるのは事実です。そして住人が犬や猫の泣き声を聞いたり、キャリーバッグに隠して運んでいるのを見つけたたりすると、住人の方々からは何とかならないかというご相談が出てきます。しかしながら、ルールで認めていないから駄目であり、違反しているから退去させるかペットを処分させようでは、住人同士が敵か味方かという感じで非常にぎすぎすした関係になり、顔を会わせるのさえ苦痛になってしまいます。
ベランダにおいては、専用使用が出来る共有部分であるのを勘違いされ、お庭を造ってしまい防災上の問題を抱えたり、大規模修繕時に問題が発生するケースがあります。またお婆さんがマンションの少し空いていたガーデンスペースに好きな花や木を植えていたケースでも、大規模修繕のときに、規約違反だからと言って全てを取り除いてしまった例もありますが、本当にそれでよいのでしょうか。お婆さんも寂しい思いをされたでしょうし、実際その場所に潤いを感じていた人もいたはずです。
音の問題も様々で、赤ちゃんの鳴き声がうるさいとか足音が響いてうるさいとかの相談もありますが、赤ちゃんは泣くものであり、部屋や廊下を自分も音を出して歩いているという気持ちを少し持って頂ければ多少は気が楽になることもあります。結局音だけでなく、人のことが気になるかならないかは、マンションは皆で住んでいるという考え方と普段からの住人同士のコミュニケーションの取り方によって全然違ってくるのです。
このように事が発生したとき、従来は今までのルール遵守で解決していくというやり方がほとんどでしたが、これからは本当にそれでいいのか、新たにこういうやり方で解決できないのかという事をマンションの住人も、我々のような立場の人も考えていかねばならないということです。

現実問題として、マンション規約を時代の流れや潮流に合わせた形の規約にしていかなければ、住みたいと思う方が減っていき、空室が出来る機会が増える→空室が増える→組合費も少なくなる、という負のスパイラルに入り込み、何一ついいことはありません。
結果マンションの資産価値を下げてしまいゴーストマンションへの道に進んでしまう危険性もあります。
そういうことを回避する為にも、管理組合が主体的に現実的な規約作り、現実的な対応をしていくことが必要と思います。

Qブルームフィールドより質問

ではこれからはどのようなことを推し進めていきたいとお考えですか?

A永井さん

マンションライフを楽しく創造性豊かなものにしていかなければいけません。
その為には、それではとにかく皆でお祭りをやりましょう(笑い)、というのではなく、ペットは駄目、ベランダに一切物を置いては 駄目ではない現実に合わせた規制、規約にしていく必要があります。何度も言うようですが、一切駄目=0《ゼロ》で規制していると、 誰かが何かをしているとか、ルールに違反しているのではいかと過敏になりだし、ギスギスした思いや関係が生まれてくるのです。
自分達の暮らしが快適になるようをなルール作りをしていけば、マンションライフは楽しいものになり、そのマンションに住みたいと思う方が増え、マンションの資産価値も高まります。自分達の生活を少し大きな視点で「公共との調和」ということを考えていく必要があり、戸建てであろうが、マンションであろうが考え方は一緒です。
マンションは緑のないところという考え方が一般的ですが、日本人はもともと農耕民族として緑や自然の中に溶け込んで暮らしてきました。 そんな日本人が土をいじりたい、緑や花を愛でたいと思う気持ちは自然であり、マンションであっても花や木を傍に置いておきたいと思うのは、誰しも思うことです。実際、ベランダに鉢などを置いている方はいらっしゃいますし、暗黙の了解でおとがめされていないというご経験をお持ちの方はいらっしゃるはずです。

ベランダには防災上認められないから何も置くなではなく、ベランダや共有スペースを人に迷惑を掛けない程度に、防災上問題ないように、様々な視点から問題が起こらないようなベランダガーデニングで緑や花を愛でることはあってもいいと思います。そのような考え方の下に作られているプランティングファニチャーは、未然にトラブルを回避していく上でも有効なコンテナであると思います。 そうした環境の下で採れたお花やハーブなどをお隣さんにもおすそ分けしたりすれば、コミュニケーションが生まれ、人との連携が出来、マンションのコミュニティが自然と出来上がっていきます。ペットであれ、花や木であれ、それらを一つのツールとしてコミュニケーションが生まれ、共通の話題を通してコミュニティが出来上がっていけばいいと思います。 その為には、住む側の人からもルール、規約のあり方を今一度考えて頂き、自分一人で勝手な判断をせず、より住みやすいマンションライフにしていくにはどうしていけばいいのかと、考えて頂きたいですし、そのお手伝いをするのが我々マンション管理士の仕事であると思っています。

Planting Furniture

ベランダやバルコニーに花や緑を取り入れて潤いのある暮らしを!
どのような環境でもガーデニングを楽しんで頂けます。

プランティングファーニチャーについて

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